CMN Headline
Vol. 22 [2009年10月発行]
“頑丈な財布”には、
“頑丈な広告”を。
先日、某住宅メーカーさんで面白いお話を聞きました。そのメーカーさんいわく、「茂原では家を建てるとき、デザインも、価格も、設備も、間取りも重視しない方が多いのです。そういう方はただ一点、“頑丈な家”を、と希望されます」。その理由を尋ねると、「茂原では過去に大規模な竜巻があり、多くの家屋が被害に遭いました。その記憶を持っている方が多いからです」とのことでした。1990年に起こった竜巻では全壊82棟、半壊161棟、一部破損が1,504棟ということですから、確かに凄まじい被害だったのでしょう。
ところで、「凄まじい被害」と言えば、現在の経済状況も“100年に一度”と言われるほどの未曾有の大不況。この不況さえ乗り切れば・・・と、歯を食いしばって耐えている企業がほとんどでしょう。ですが残念ながら、この不況を経験した消費者たちは、不況を脱したとしても以前の消費者とは違っているはずです。ちょうど竜巻を経験した茂原市の方々のように、小手先のデザインや、ちょっとした値引きでは動かない“頑丈な財布”を手に入れているのです。
ですから、企業と消費者の関係に限って言えば、「一部の勝ち組企業に消費が集中し、淘汰が進む」という構図になるだろうと考えられます。頑丈な財布をこじ開けることのできる企業だけが、消費者から支持を得る時代。その“開け方”を知らない企業にとっては、試行錯誤の日々になるでしょう。
では、その“頑丈な財布”を開けるプロモーションとはどのようなものでしょうか。その「カギ」は、“頑丈な広告”に尽きると考えます。それは格好良いデザインでもなく、利益度外視の値下げ合戦でもありません。“頑丈な広告”とは、頑丈なカギ。つまり、「財布を開く理由は何か、がしっかりしている」ということでしょう。もちろん、デザイン性によって消費者が優越感を感じたり、値下げによってメリットを感じることもあると思います。ですが、闇雲なデザインや価格競争では、消費者に届く前に広告費がなくなってしまうでしょう。
テレビCMが減ったり、雑誌の休刊が相次いだりしている背景には、広告会社が“頑丈な広告”の必要性に気付いていないことが最大の問題としてあります。ターゲットは誰なのか。どんな生活をし、どんなことに興味を持ち、どんなことにメリットを感じるのか。消費者のそういった心の構造(=鍵穴)にぴったりと当てはまるメリットの提示(=カギ)こそが、“頑丈な広告”の正体なのです。
以前と同じ広告を出したのに、効果がなかった。以前の顧客はどこへ行ってしまったのだろう?・・・と思われている場合、その広告は「頑丈ではない」のです。頑丈な財布に響く広告を一緒に考えていきましょう。