Vol. 34 [2011年8月発行]

「タイムマシンにお願い」はもう古い?
今こそ、千葉のガラパゴス化を。

「県民性」という言葉があります。行政区で性格を決定するのはいささか乱暴な気もしますが、その地域の歴史や風土、地理といったものが少なからず性格に影響するのは分かる気がしますね。千葉県はというと、三方を海に囲まれており、あまり歴史の荒波に揉まれて来なかったせいか、温和でのんびりした性格の方が多いとの事。

 そういった県民性が影響しているのかどうか分かりませんが、広告においても、千葉はこれまでずっと東京のトレンドから少し遅れる傾向にありました。東京で始まって、紆余曲折を経てようやく浸透したサービスや手法が、そこからさらに数年してようやく千葉に普及し始める、そんなイメージです。

 これと同じことが、ちょうど米国と日本との間でずっと続いていました。日本よりもさらに進歩した国、米国の手法を日本に輸入することで、誰よりも先んじてサービスを開始できる・・・そう考え、実践してみせたのがソフトバンクの孫社長でした。彼はこの主張を「タイムマシン経営」と名付け、その名の通り未来を先取りするようなサービスを次々と成功させていったのです。

 しかし、今、タイムマシン経営が通じなくなっているといいます。グローバル化・情報化の進展によって、米国と日本との間の「時差」がほとんどなくなってしまったのです。米国で始まったサービスは、またたく間に日本企業の知るところとなり、すぐに日本でも展開されるようになりました。東京~千葉間も同様で、両者の情報格差は今やほとんどなくなったと言えます。東京のトレンドはそのまま千葉のトレンドとなっています。

 ただ、東京~千葉のケースが米国~日本のケースと異なるのは、「東京から学べるものが少なくなっている」という点にあります。90年代後半からインターネットが普及し、毎日のように新しい広告手法が登場していた時期から比較すると、だいぶ成熟というか、飽和してきたように感じられます。

 これを書いている現在、大手広告代理店がデジタル・サイネージ関連会社を売却したとのニュースが入ってきました。新しく生まれた広告が、一定の帰結を見せていることの表れとも言えます。これから、広告に関するイノベーションは停滞期に入るでしょう。東京の背中を見ていても、急激な革新は望めなくなってきています。三方を海に囲まれている”関東のガラパゴス”千葉は、今こそ、千葉独自の広告モデルを確立すべき時に来ているのではないでしょうか。

<< 戻る次へ >>

ページトップ

Copyright(c) 2008 CMN.All rights reserved.